4 次の手順により、正の整数を順に書き並べていく。
数の並びを横にみて、 0を含む並びを0段目とし、上にいくにしたがって、順に、 1段目、2段目、3段目、・・・とよぶこととする。
数の並びを縦にみて、0を含む並びを0列目とし、右にいくにしたがって、順に、 1列目、2列目、3列目、・・・とよび、0列目から左にいくにしたがって、順に、-1列目、- 2列目、-3列目、・・・とよぶこととする。
m 列目、n段目の数を、P(m,n)で表すこととする。
(例) P(2, 1) = 10, P(- 2, 2) = 22
次の会話文を読み、あとの(1)~(3)の問いに答えなさい。
会話文
教師T:今回の数の並びもなかなかおもしろいですね。ウォーミングアップです。P(-1,4)はいくつになりますか。
生徒X:P(-1,4)= | (a) | です。
教師T:そうですね。数の並びをみて、気づいたことはありますか。
生徒X:0段目に、 1 = 12、 4 = 22、 9 = 32、 16 = 42、・・・という並びがあります。
教師T:よいところに気がつきましたね。手順0で1つの数を、手順1で3つの数を、手順2で5つの数を書いていますね。右の図がヒントになっています。
1= 12、1 + 3 = 4= 22、1 +3 + 5=9 =32、・・・
手順 0 で書いた数が、0であることも関係しています。今日は、0段目の数は、1列 目から順に、12、22、32、42、・・・となること、つまり、t>0のとき、P(t, 0)=t2 が成り立つことを使ってよいこととしましょう。
生徒Y:手順3について考えてみます。P(3,0)=32 なので、手順3で書き並べられる数は、この32を使って、次のように表すことができます。P(2,1)=32+1、P(1,2)=32++2、P(0, 3)=32+3、P(-1, 2)=32+4、P(-2,1)=32+5、P(-3,0)=32+6
教師T:0列目、4段目の数は、P(0,4)=42 +| (b) | ですね。では、0列目、t段目の数 P(0, t)は、 tを使って表すとどうなりますか。
生徒X:P(0, t)は,手順t で書き並べられる数です。P(t, 0)=t2なので,この t を使って、 P(0, t)=| (c) |と表すことができます。
教師T:(1, t -1)と P(-1, t-1)の和をtを使って表し、整理すると、どうなるでしょうか。
生徒Y:P(1, t -1)、P(-1, t-1)は、手順tで書き並べられる数ですね。P(1, t-1)、はP(0, t)の1つ前に並べられる数、P(-1, t-1)はP(0, t)の次に並べられる数なので、P(1, t-1)+P(-1, t – 1)= | (d) | となります。
教師T:P(t, 0)やP(0, t)を基準にして数えると、考えやすくなりそうですね。
(1) 会話文中の(a)~(d)について、次の①、②の問いに答えなさい。
①(a), (b)にあてはまる数を、それぞれ書きなさい。
②(c), (d)にあてはまる式を,それぞれ書きなさい。
(2) t >0のとき、P(t, 0)+ P(-t, 0)= 2P(0, t)となることを、式やことばを使って説明しなさい。
(3) P(-t+1,1)-P(1, t-2) = 2022 のとき、t の値を求めなさい。
いかがでしょうか? とにかく問題文が長いのが特徴で、本試の4よりも長いです。誘導がついているので、数学的にはそれほど難しくはありませんが・・・
(1)①-1列を下から順に見ていくと、3、7、13、21なので、増加量が4、6、8となっているので、次は10増えそうです。よって 31
また、P(0, 4)=42+(b)=12ですから、(b)=4 です。
②(b)でP(0, 4)=42+4なので、P(0,t)=t2+tが導けます。
いわれた通りの式をつくると
P(1,t-1)=P(0,t)ー1、P(-1, t-1)=P(0,t)+1より
P(1,1-1)+P(-1,t-1)=P(0,t)+1+P(0,t)-1=2P(0,t)ここで(c)からP(0,t)=t2+tなので、
(d)=2t2+2tです。
(2)t>0のとき、P(t,0)、P(0,t),P(-t,0)は手順tで並べられる数で、
P(t,0)=t2、P(0,t)=t2+t
P(-t,0)はP(0,t)より2tだけ大きいので、P(-t,0)=P(t,0)+2t=t2+2t
したがって、P(t,0)+P(-t,0)=t2+(t2+2t)=2(t2+t)
よって、P(t,0)+P(-t,0)=2P(0,t)となる。
(3)は、上のようにまずt=4のときの、P(-t+1,1)とP(1,t-2)の位置を確認してみる。
すると、P(ーt+1,1)は、P(0,t)よりも(t-1)だけ大きく、P(1,t-2)はP(1, t-2)はP(0, t-1)より1小さいことがわかる。
問題の意図を「見える化」することが大切で、数学が苦手な生徒は、「見える化」する努力が足りないのだと思う。